掻痒症の新規治療効果の評価に使用できる、MC903誘発およびhIL31誘発掻痒マウスモデルを確立しました。
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掻痒症は、ヒトだけでなくマウスを含む動物においても、生活の質に重大な影響を与える一般的な症状です。様々な皮膚疾患、アレルゲン、あるいは全身性疾患に対する重要な行動反応として機能します。マウスにおける掻痒症を理解することは、効果的な治療法の開発や、掻痒の根本メカニズムの研究に不可欠です。
マウスでは、掻痒誘発物質の塗布や、掻痒刺激に対する感受性を変化させた遺伝子組み換えマウスなどを使用して、様々な方法で実験的に掻痒症を誘発することができます。マウスにおける掻痒症の研究は、ヒトとマウスにおける掻痒症の根底にある基本的な生物学的メカニズムの類似性から、特に価値があります。
マウスにおける掻痒研究のトランスレーショナルな側面は、人間の医学にとって重要です。これらの研究から得られる知見は、湿疹、乾癬、アレルギーなどの症状により、世界中で何百万人もの人々に影響を与えている慢性掻痒症を治療するための、新たな治療ターゲットや戦略の特定につながる可能性があります。
Readouts | ||
Included tests | Body Weight | |
Scraching bouts for 60 min post hIL31 injection | ||
Optional tests | Clinical scores | Ear thickness |
Skin histopathology (H&E) | Immune cell infiltration | |
Epidermal thickness | ||
Histology score | ||
Molecular levels | Serum total IgE | |
Behavior | Pruritus |
図1. 第14日(A)、第17日(B)の60分間の掻痒回数
Readouts | |
Included tests | Body weight |
Scraching bouts for 60 min post hIL31 injection |
掻痒回数の基準:
マウスは後ろ足を上げて頬、背中、耳に向かって数回掻き、その後足を下ろします。
この一連の動作を1回の掻痒行動としてカウントします。
図2. 第1日(A)、第4日(B)、第10日(C)の60分間の掻痒回数、1日目、4日目、10日目の掻痒回数の増加(D)